DNeasy PowerSoil Pro Kit

土壌サンプルから微生物のDNA抽出をするのは、とても難しい作業です。QIAGENの新しいDNeasy PowerSoil Pro Kitsは、従来のPowerSoil技術より、あらゆる土壌から微生物のDNAを高収量で精製できるように改良を加えました。このキットの特長は新しいビーズチューブの採用と、土壌中の微生物とカビ類のより効率的な細胞破砕を実現する試薬を採用したことです。もちろん、この精製プロトコールにInhibitor Removal Technology (IRT)を採用しているため、土壌や環境サンプル中にみられる酵素阻害物質を除去することができます。さらに他の精製方法に比べて観察されたoperational taxonomic units (OTUs)は、高いα多様性が示されます。

核酸精製が困難なサンプルからでも、期待するDNA収量を

DNeasy PowerSoil Pro Kit には、新しいビーズチューブと細胞溶解用の技術を改良しました。これにより、従来のDNeasy PowerSoil Kitや同様の他社製品を使用して、あらゆる土壌からの収量をテストした結果、最大8倍のDNA収量が得られるようになりました。（ Isolate more high-quality genomic DNA参照）。核酸精製が困難な土壌からのDNA精製を、DNeasy PowerSoil Kit 及びnew DNeasy PowerSoil Pro Kitを使用して、核酸精製を行った（ Improved, high-quality DNA yields with the new DNeasy PowerSoil Pro Kit参照）。

土壌サンプルに含まれる微生物群を、より正確に同定

新しい DNeasy PowerSoil Pro Kits を用いて精製したDNA からは、DNeasy PowerSoil Kit や他社のキットと比較し、より多くのバクテリア (OTUs) を検出しました（ Increased bacterial OTUs with the new DNeasy PowerSoil Pro Kit参照）

阻害物質除去技術により、より高純度なDNAの単離

新しいDNeasy PowerSoil Pro Kitsの特長は阻害剤除去技術（IRT）により、サンプルの精製時間を短縮することが出来ます。DNeasy PowerSoil Pro Kitsはあらゆる土壌において、260/280の値が1.8程度を示し、阻害物質の混入量を示す260/230の値も最も高いことが示されました。本キットを使用して単離されたサンプルはPCRにおいて、他の市販の手法に比べて反応阻害を示しませんでした。（ Increased purity and less variability in DNA extracted with the DNeasy PowerSoil Pro Kit 参照）

土壌及び糞便サンプルは、試薬と物理的破砕によって溶解されます。溶解バッファーは、サンプルを含むジルコニアビーズチューブに添加して使用します。ビーズ破砕はお手持ちのボルテックスで簡単に行えます。そして破砕・溶解されたサンプルは、まず阻害物質除去ステップに進みます。そしてDNA binding 溶液と混合させ、シリカスピンフィルターに透過させます。フィルターメンブレンは洗浄をした後、シリカに結合したDNAを10mM Trisバッファーにて溶出されます。単離されたDNAは、PCR,　NGSやその他の酵素反応を伴うアプリケーションに使用することができます。