PyroMark Q24
パイロシークエンス法を用いたメチル化定量解析、配列変異解析、微生物同定
パイロシークエンス法を用いたメチル化定量解析、配列変異解析、微生物同定
PyroMark Q24 は配列情報を基にした定量解析が可能なシークエンシングプラットフォームです。PyroMark Q24 はCpG メチル化、SNP、挿入/欠失、STR、遺伝子コピー数の変動、微生物同定と抵抗性のタイピングに非常に有用なツールです。
パイロシークエンスシステムはQIAGEN のエピジェネティクス関連製品と使用することで、正確で高感度なメチル化状態の定量を実現します(図 " MLH1遺伝子のCpGメチル化解析") 。低レベルで存在する異常なDNAメチル化パターンの検出や新規の変異の同定もできます。PyroMark Q24には、Bisulfite処理の変換効率確認やCpGメチル化解析に必要なソフトウェアパッケージが含まれています。
様々な腫瘍における各種の遺伝子発現を研究する場合、個々のCpG部位の解析は極めて重要です(図 " RASSF1A 遺伝子のCpGメチル化パターン")。従来の方法によるデータは解像度が低いため、十分な解析ができませんでしたが、パイロシークエンス法はこの問題点を克服し、単一のCpG部位や複数のCpG部位のメチル化パターンの単一の変化も高精度で解析できます。
パイロシークエンス法は、合成による配列解読 (sequencing by synthesis) 原理に基づいており、数分でターゲット塩基の定量解析が可能です。PyroMark Q24 はリアルタイムにシークエンス情報を提供し、エピジェネティクス研究や遺伝解析に最適な統合システムです。PyroMark Q24機器と組み合わせて、PyroMark Q24 Vacuum Workstation、PyroMark Q24 Software、PyroMark Gold Q24 Reagents、PyroMark Control Oligo、PyroMark Q24 Validation Oligo がを使用します(表を参照)。PyroMark Q24 Vacuum Workstation を使用して一本鎖DNAの調製を実現するサンプル調製用製品もお届けしています。
関連製品郡 | 製品説明 |
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PyroMark Q24 | 変異およびメチル化の定量解析用シークエンス装置 |
PyroMark Q24 Vacuum Workstation | 1本鎖DNAの調製を最大24サンプル同時に行なうワークステーション |
PyroMark Q24 Software | 解析用ソフトウェア; 2 種類の解析モードを提供(CpG 解析およびアレル定量) |
PyroMark Q24 Gold Q24 Reagents | 酵素、基質、ヌクレオチド |
PyroMark Q24 Control Oligo | システムの適切な設置と操作を評価するためのコントロール |
PyroMark Q24 Validation Oligo | システムの性能を確認するためのコントロール |
遺伝子解析には、変異およびSNPタイピングを含むゲノムDNAの差異を解析するための様々なアプリケーションが含まれています。PyroMark Q24 は遺伝子のどのような変異解析も高い精度と感度で実現し、混在する細胞集団におけるアレルの種類を定量できます。QIAGENも、パイロシークエンス法により特定の特定の遺伝子変異を解析するための至適化・検証済み研究専用テストを提供しています。
ステップ1:DNAセグメントを増幅し、パイロシークエンス法のテンプレートとして使用するためにDNA鎖をビオチン化します。変性後、ビオチン化一本鎖PCRアンプリコンを単離し、シークエンシング用プライマーをハイブリダイズさせます。プライマーをアニーリングさせた一本鎖テンプレートに、酵素類であるDNA polymerase、ATP sulfurylase、luciferase 、apyrase および基質であるAPS(adenosine 5' phosphosulfate)、Luciferin と共にインキュベートします(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 1")。
ステップ2:次に、反応液にdNTP(deoxribonucleotide triphosphate)を1種類ずつ添加します。テンプレート鎖の塩基に相補するdNTPである場合、DNA polymerase によりシークエンシング用プライマーにdNTPが付加されます。dNTPが取り込まれると、取り込まれたヌクレオチドの量に比例し、定量的にPPi (ピロリン酸) が遊離します(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 2")。
ステップ3:ATP sulfurylase は、反応液に予め含有しているAPS と遊離したPPi によりATP を生成します。このATP はLuciferase を触媒として、このATPと反応し、Oxyluciferin へと変換され、ATPの量に比例して可視光が発生します。生じた発光は、CCDセンサにより検出され、ピーク波形(パイログラム;Pyrogram)として観察されます。各ピーク(光のシグナル)の高さは、取り込まれたヌクレオチド数に比例します(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 3")。
ステップ4:Apyrase はヌクレオチドを分解する酵素で、反応に使用されなかったヌクレオチドおよびATPを分解します。分解が完了すると、次のヌクレオチドが添加されます(" パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 4")。
ステップ5:dNTPの添加が連続して行なわれます。基質として通常のdATP(deoxyadenosine triphosphate)の代わりにdATPαS(deoxyadenosine alfa-thio triphosphate)を使用します。これはdATPαS がLuciferase の基質にならず、DNA polymerase により効率的に使用されるからです。この連続工程により、相補的なDNA 鎖が伸長され、パイログラムにおける各発光ピークから塩基配列が決定できます(" パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 5")。
適応性の高いPyroMark Q24 は、エピジェネティクスや遺伝解析のワークフローに取り入れることができ、サンプル調製、Bisulfite変換、PCR増幅のための斬新なQIAGEN テクノロジーと組み合わせて最高の結果が得られます。非常に信頼性の高い本装置は変異およびCpG部位の塩基配列の検出/定量を実現します。効率化されたワークフローにより迅速に結果が得られます。
シークエンシング用の一本鎖テンプレートをPCR産物から調製 — PyroMark Q24 Vacuum Workstation を用いて最大24 サンプルを同時に15 分以内で調製できます。ワークステーションは取り扱いが簡単で、実際のマニュアルでの作業は5分以内です。
パイロシークエンシングの前に、ビオチン化PCR産物を調製します。このビオチン化PCR産物をストレプトアビジンでコーティングされたセファロースビーズに結合させます。Vacuum WorkstationのVacuum Toolを用いてビーズを捉え、十分に洗浄した後変性し、パイロシークエンシング用の一本鎖DNAを調製します。このテンプレートDNAをシークエンシングプライマーを含むパイロシークエンシング反応プレートに入れ、プライマーアニーリングの後、プレートをPyroMark 装置にセットします。PyroMark Gold reagentは酵素、ヌクレオチド、パイロシークエンス反応の基質を含んでいます。この試薬をソフトウェアが指示する量に従い分配チップまたはカートリッジに分注し、パイロシークエンシング用の機器にセットします。
パイロシークエンス法は様々な分野でのアプリケーションでますます重要になってきています。薬剤耐性菌の検出、遺伝子発現制御におけるエピジェネティックなDNAメチル化の役割、家畜の特異的な表現型に対応する遺伝子マーカー、法医学サンプルからのミトコンドリアDNAの多型など、どのアプリケーションを実施するかにかかわらず、PyroMark Q24は遺伝子変異およびエピジェネティックな変異を解析する強力で適応性のあるツールです。さらにパイロシークエンス法は配列検出および定量を行なうので高解像度の解析が行なえ、新しい発見に繋がります。
Features | Specifications |
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Instrument dimensions | |
接続 | |
Applications | |
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Kits designed for this instrument | |
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Place of operation | |
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Process time | |
Samples per run (throughput) | |
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Technology | |
重量 | |
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