PyroMark Q96 ID
パイロシークエンス法を用いたメチル化定量解析、配列変異解析、微生物同定
パイロシークエンス法を用いたメチル化定量解析、配列変異解析、微生物同定
PyroMark Q96 IDは配列情報を基にした定量解析が可能なシークエンシングプラットフォームで、エピジェネティクな遺伝子変異の定量・解析、微生物の同定、耐性菌検出に最適です。96ウェルフォーマット、自動ベースコーリング機能、メチル化解析やアッセイデザイン用の専用ソフトウェアを備えたPyroMark Q96 IDは、正しい配列情報や遺伝子あるいはエピジェネティックな変異の定量が必要などのような研究課題にも対応できます。
PyroMark platformによるパイロシークエンス法は、遺伝子多様性の検出と定量がひとつの高度なシステムに統合されているため、短い標的DNA配列を解析する際に、他のシークエンス法よりも優れた性能を発揮します。エピジェネティクス研究でのメチル化解析の際に、パイロシークエンス法は、個々のCpG部位または連続したCpG部位のメチル化頻度について再現性の高い定量を実現し(図 " 近接する複数のCpG部位を解析")、小さなメチル化レベルの変化でも検出および定量が可能です(図 " 直線性のあるメチル化定量")。
遺伝子解析アプリケーションとしては、変異遺伝子座のアレルを正確に定量できるため、ヘテロ接合体の解決も容易です(図 " Tri- アレル SNP の解析")。微生物同定と薬剤耐性タイピングでは、パイロシークエンス法により多数のサンプルについて一般的な薬剤耐性変異の同時解析が可能になります(図 "Helicobacter pylori の薬剤耐性の解析")。
パイロシークエンス法は、合成による配列解読 (sequencing by synthesis) 原理に基づいており、数分でターゲット塩基の定量解析が可能です。PyroMark Q96 IDはリアルタイムにシークエンス情報を提供し、遺伝子変異の検出および定量やショートシークエンシングに最適なシステムです。PyroMark Q96 ID機器と組み合わせて、PyroMark Q96 Vacuum Workstation、PyroMark CpG SW、PyroMark Assay Design SW、PyroMark IdentiFire SW、PyroMark Gold Q96 Reagents、PyroMark Control Oligoの製品を使用します。サンプル調製のための各種バッファー等の試薬・消耗品も取り揃えています。
ステップ1:DNAセグメントを増幅し、パイロシークエンス法のテンプレートとして使用するためにDNA鎖をビオチン化します。変性後、ビオチン化一本鎖PCRアンプリコンを単離し、シークエンシング用プライマーをハイブリダイズさせます。プライマーをアニーリングさせた一本鎖テンプレートに、酵素類であるDNA polymerase、ATP sulfurylase、luciferase 、apyrase および基質であるAPS(adenosine 5' phosphosulfate)、Luciferin と共にインキュベートします(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 1")。
ステップ2:次に、反応液にdNTP(deoxribonucleotide triphosphate)を1種類ずつ添加します。テンプレート鎖の塩基に相補するdNTP である場合、DNA polymerase によりシークエンシング用プライマーにdNTPが付加されます。dNTP が取り込まれると、取り込まれたヌクレオチドの量に比例し、定量的にPPi (ピロリン酸) が遊離します(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 2")。
ステップ3:ATP sulfurylase は、反応液に予め含有しているAPS と遊離したPPi によりATP を生成します。このATP はLuciferase を触媒として、このATPと反応し、Oxyluciferin へと変換され、ATPの量に比例して可視光が発生します。生じた発光は、CCDセンサにより検出され、ピーク波形(パイログラム;Pyrogram)として観察されます。各ピーク(光のシグナル)の高さは、取り込まれたヌクレオチド数に比例します(図 " パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 3")。
ステップ4:Apyrase はヌクレオチドを分解する酵素で、反応に関与しなかったヌクレオチドおよびATPを分解します。分解が完了すると、次のヌクレオチドが添加されます(" パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 4")。
ステップ5:dNTPの添加が連続して行なわれます。基質として通常のdATP(deoxyadenosine triphosphate)の代わりにdATPαS(deoxyadenosine alfa-thio triphosphate)を使用します。これはdATPαS がLuciferase の基質にならず、DNA polymerase により効率的に使用されるからです。この連続工程により、相補的なDNA 鎖が伸長され、パイログラムにおける各発光ピークから塩基配列が決定できます(" パイロシークエンシング法の原理 — ステップ 5")。
適応性の高いPyroMark Q96 IDは、エピジェネティクスや遺伝解析のワークフローに取り入れることができ、サンプル調製、Bisulfite変換、PCR増幅のための斬新なQIAGEN テクノロジーと組み合わせて最高の結果が得られます。非常に信頼性の高い本装置は、SNP、挿入および欠失変異、CpG 部位のメチル化比率解析ならびにショートシークエンシングを実現します。効率化されたワークフローにより迅速に結果が得られます。
シークエンシング用の一本鎖テンプレートをPCR 産物から調製 — PyroMark Q96 Vacuum Workstationを用いて最大96サンプルを同時に15分以内で調製できます。ワークステーションは取り扱いが簡単で、実際のマニュアルでの作業は5 分以内です。
シークエンシング用の一本鎖テンプレートをPCR産物から調製 — PyroMark Q96 Vacuum Workstationを用いて最高96サンプルを同時に15分以内で調製できます。ワークステーションは取り扱いが簡単で、実際のマニュアルでの作業は5分以内です。
パイロシークエンシングの前に、ビオチン化PCR産物を調製します。このビオチン化PCR産物をストレプトアビジンでコーティングされたセファロースビーズに結合させます。Vacuum WorkstationのVacuum Toolを用いてビーズを捉え、十分に洗浄した後変性し、パイロシークエンシング用の一本鎖DNAを調製します。このテンプレートDNAをシークエンシングプライマーを含むパイロシークエンシング反応プレートに入れ、プライマーアニーリングの後、プレートをPyroMark 装置にセットします。PyroMark Gold reagentは酵素、ヌクレオチド、パイロシークエンス反応の基質を含んでいます。この試薬をソフトウェアが指示する量に従い分配カートリッジに分注し、機器にセットします。
パイロシークエンス法は様々な分野でのアプリケーションでますます重要になってきています。薬剤耐性菌の検出、遺伝子発現制御におけるエピジェネティックなDNAメチル化の役割、家畜の特異的な表現型に対応する遺伝子マーカー、法医学サンプルからのミトコンドリアDNA の多型など、どのアプリケーションを実施するかにかかわらず、PyroMark Q96 ID は遺伝子変異およびエピジェネティックな変異を解析する強力で適応性のあるツールです。さらにパイロシークエンス法は配列検出および定量を行なうので高解像度の解析が行なえ、新しい発見に繋がります。
PyroMark Q96 ID software version 2.5 enables comprehensive analysis of your results. The recently updated software now contains four analysis modes: AQ (allele quantification), SNP (analysis of SNPs and InDels), CpG (methylation analysis), and SQA (sequence identification). These four different types of analyses can be performed on the same plate, in the same run.
PyroMark Assay Design Software 2.0 ensures easy design of PCR and sequencing primers. The assays are optimized for all PyroMark instruments.
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